湘南|大船と辻堂(藤沢・茅ヶ崎)と平塚|3つ法律事務所がある弁護士法人代表の「弁」

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「弁護士法人プロフェッション」代表が時々弁ずるブログ|大船駅(鎌倉市)・辻堂駅(藤沢市・茅ヶ崎市)・平塚駅各3分|夜間休日相談あり

司法試験合格前は,弁護士になりたいと思っていました。

裁判官や検察官は,存在が遠く,現実感がありませんでした。
弁護士は,資格がある自由業であり,その利点のみを片面的に都合よく見ていました。

司法試験に合格し,司法修習生になると,進路に現実味が帯びてきました。
実務修習で,最初に検察庁に配属され,生の事件・検察の現場を見て,目から鱗が落ちました。

全く実感なかったけれど,世の中にはこんなに多くの犯罪があるのか。
これまで平和に暮らせていた(る)のは,警察や検察がしっかり機能していた(る)からだと。

そこで,司法修習中に検察官に進路変更しました。

が,なってみると,多数の事件を並行し,一件終了しても,すぐ新しい事件が来て,常に多忙。
ハードなオンのみならずそれゆえにオフがコントロールできず本末転倒という事態が常態化しました。

検事は4年でほとんどやりきったこと(ほとんどの類型の刑事事件を起訴・公判した),大組織の一員であるがゆえの様々なデメリットを考え,辞めることにしました。
有罪率99.9%と言われますが,検事側から見ると,重いプレッシャー(0.1%の無罪を受けるかもしれない)を絶えず負う辛さもありました。

振り返って,司法修習中に,配属検察庁の次席から言われた言葉を思い出しました。
「検事としては性格がやさしすぎる」
それが,犯人と対峙するときのものなのか,検察という組織で働く上でのものなのかなどは今も分かりません。

東京地検在職中に,配属部の部長から言われた言葉もあります。
それは,ゴルフコンペで偶々同じ組でラウンドした翌日,部長室に一人呼ばれて,何かやらかしたかと焦りつつ入室したときの一言です。
「もっと上司に顔を覚えてもらうようアピールしなさい」
配属され約1年弱もあって,ゴルフコンペで初めて私を知った部長の一言で,見込みがなければ掛けてもらないと思い感動した記憶があります。
が,逆に,そういうことを自分がやっていないと身に知らしめられました。

要は,検事に向いていなかったのだと思います。

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# by ofuna-law | 2021-01-30 17:13 | プロフィール 

法曹三者の色と意味

判事(裁判官)は,紫色で尊厳の意味。
検事(検察官)は,赤色で赤誠(偽りのない心)の意味。
弁護士は,白色で潔白の意味。

元々は,明治23年に勅令で判事と検事(同時に書記官も)の法服と帽(法冠)が制定され,明治26年に弁護士という職業が誕生すると,司法省令で弁護士にも法服と職帽が定められ,このとき,法曹三者は法廷で,法服・法冠を着用するようになりました。
その法服・法冠の生地や刺繍等の色が,裁判官が紫,判事が赤,弁護士が白だったのが起源のようです。

法服等は,戦後に最高裁判所が発足し,最高裁判所規則で,現在の裁判官の法服が制定され,法冠の着用が廃止。
検事と弁護士の法服等はなくなりました。

この3色は,現在の司法修習生のバッチの色に受け継がれています。
司法修習生のバッチは,JUDGEやJUSTICEの「J」の文字をモチーフに,紫,赤,白の三色で構成されています。

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# by ofuna-law | 2020-03-01 15:48 | 法曹 裁判官・検事・弁護士 
NHKスペシャル「認知症の第一人者が認知症になった」を見た。

日本で初めて認知症の早期診断を可能にした精神科医長谷川和夫先生(91)。
長谷川式スケール(HDS-R)を開発された。

NHKスペシャルには「自分の姿を見せることで、認知症とは何かを伝えたい」と出演されたという。

奥様と寄り添われる生活。
奥様がピアノで弾かれる「悲愴」を聞くお姿。
何度も出てくる、「日々少なくなる生きている上での『確かさ』」という発言。
娘さんの葛藤。
家族の負担。
ご本人が感じる強い孤独感。
かつて先輩医師に言われた「君が認知症になって初めて君の研究は完成する」という言葉。

何の涙か自分でも説明できない涙がうるうると終始止まらなかった。

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# by ofuna-law | 2020-01-16 21:27 | コラム
供述調書や契約書や公正証書を「巻く」といいます。
要するに、作成するということです。
長年、語源が疑問で、このたび漸く調べてみましたが、よくわかりません。

契約書を製本するときに背表紙にテープを巻くからという説は、供述調書は、ステープラーで綴じるだけ。公正証書も、やはりステープラーで綴じるだけ。
よって、この説は違うと思います。

供述調書のみについていえば、被疑者を煙に巻いて署名押印をさせてしまう(もちろん違法です)の「煙に巻く」が語源との説がありそうです。契約書ならば、例えば、立場が強い側が弱い側を煙に巻いて契約締結してしまうことはあり得なくもないでしょう(これも不適法で契約無効となりえます)。
しかし、少なくとも公証人の公正証書は、正確無比なので、煙に巻いて作成することはありません。
よって、この説もやや違うと思います。

テレビなどで、早く収録を終わらたいときに「巻きでお願いします」という業界用語があります。
要するに、時間内に迅速に切り上げるということですが、供述調書、契約調書、公正証書も、時間内に迅速にまとめ上げるという意味で、この用例に近い感覚はあります。
ただ、業界用語の巻くは、元々収録テープのからみで、時間がないとテープ残量との関係で収録しきれないから、テープを巻ける時間内に終わらせるという意味と聞いたことがあります。
もし収録テープの巻きが語源なら、供述調書等には当てはまらないことになります。

古来、こういった書面は、巻物で作成していました。
「手紙を巻く」という古語があって、今も「巻き手紙セット」というのが買えます。巻物で手紙を出せます。
巻物を使わなくなった現代にも、この使い方が残って、供述調書や契約書や公正証書は、「巻く」というのではないでしょうか。
調べた限りでも、この説が通説のようでした。

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# by ofuna-law | 2019-11-22 08:31 | 法律 論点 解釈

15周年

平成16(2004)年10月に独立し、大船法律事務所を開業しました。
この度、お陰様をもちまして、15周年を迎え、16年目に入りました。

今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

平成24(2012)年10月、法人化し、法人名は弁護士法人プロフェッションとしました。 
プロフェッションとは、人のために尽くす聖職という意味です。
平成9(1997)年4月に司法修習生になった初めに、教官から「法曹はプロフェッションたれ」と言われたときの初心を忘れないためです。

現在、総員14名(うち弁護士7名)、3事務所体制となり、大船法律事務所及び辻堂法律事務所に弁護士各2名、平塚八重咲町法律事務所に弁護士3名が所属しております。

個々及び組織の実力の向上が永遠の目標です。
今は、少しずつ弁護士を増やし、3事務所に弁護士各3名、具体的には、大船と辻堂も弁護士を3名ずつにすることを目指しています。
ただ、新人を育てながらの皆での成長にこだわりがあるため、少しずつとならざるを得ません。

15周年の間、順調なことばかりではありませんでした。 

お客様アンケートでは、開業当初、「上から目線」というご指摘に泣きました。元検事ゆえのスタイルやサービス精神のなさ、弁護士経験のない若さ(当時31歳)というものがあったと反省しております。

その後、それを直そうとして逆に、相談者及び依頼者側寄りになりすぎ、今から考えると、相手方、相手方弁護士、裁判所等の関係者に厳しく当たっていた時期があり、無理しすぎていたと反省しております。

急拡大は急降下を生むという言葉があります。
法人化して3事務所体制になった平成26年は、八方塞がりともいえる危機がありました。
このときは、所属弁護士や所員や周囲に本当に助けられて今があるので、そのご恩は一生忘れてはいけないと思っています。

今は「泰然自若」を旨に、これまでの経験を生かし、また向上心を持ち続け、初心を忘れず、感謝を忘れず、地道に、今やるべきことに最善を尽くしていきたいと思っております。

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# by ofuna-law | 2019-10-25 09:15 | これまでの事務所運営

「弁護士法人プロフェッション」代表が時々弁ずるブログ|大船駅(鎌倉市)・辻堂駅(藤沢市・茅ヶ崎市)・平塚駅各3分|夜間休日相談あり


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