湘南|大船と辻堂(藤沢・茅ヶ崎)と平塚|3つ法律事務所がある弁護士法人代表の「弁」

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「弁護士法人プロフェッション」代表が時々弁ずるブログ|大船駅(鎌倉市)・辻堂駅(藤沢市・茅ヶ崎市)・平塚駅各3分|夜間休日相談あり

供述調書や契約書や公正証書を「巻く」といいます。
要するに、作成するということです。
長年、語源が疑問で、このたび漸く調べてみましたが、よくわかりません。

契約書を製本するときに背表紙にテープを巻くからという説は、供述調書は、ステープラーで綴じるだけ。公正証書も、やはりステープラーで綴じるだけ。
よって、この説は違うと思います。

供述調書のみについていえば、被疑者を煙に巻いて署名押印をさせてしまう(もちろん違法です)の「煙に巻く」が語源との説がありそうです。契約書ならば、例えば、立場が強い側が弱い側を煙に巻いて契約締結してしまうことはあり得なくもないでしょう(これも不適法で契約無効となりえます)。
しかし、少なくとも公証人の公正証書は、正確無比なので、煙に巻いて作成することはありません。
よって、この説もやや違うと思います。

テレビなどで、早く収録を終わらたいときに「巻きでお願いします」という業界用語があります。
要するに、時間内に迅速に切り上げるということですが、供述調書、契約調書、公正証書も、時間内に迅速にまとめ上げるという意味で、この用例に近い感覚はあります。
ただ、業界用語の巻くは、元々収録テープのからみで、時間がないとテープ残量との関係で収録しきれないから、テープを巻ける時間内に終わらせるという意味と聞いたことがあります。
もし収録テープの巻きが語源なら、供述調書等には当てはまらないことになります。

古来、こういった書面は、巻物で作成していました。
「手紙を巻く」という古語があって、今も「巻き手紙セット」というのが買えます。巻物で手紙を出せます。
巻物を使わなくなった現代にも、この使い方が残って、供述調書や契約書や公正証書は、「巻く」というのではないでしょうか。
調べた限りでも、この説が通説のようでした。

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# by ofuna-law | 2019-11-22 08:31 | 法律 論点 解釈

15周年

平成16(2004)年10月に独立し、大船法律事務所を開業しました。
この度、お陰様をもちまして、15周年を迎え、16年目に入りました。

今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

平成24(2012)年10月、法人化し、法人名は弁護士法人プロフェッションとしました。 
プロフェッションとは、人のために尽くす聖職という意味です。
平成9(1997)年4月に司法修習生になった初めに、教官から「法曹はプロフェッションたれ」と言われたときの初心を忘れないためです。

現在、総員14名(うち弁護士7名)、3事務所体制となり、大船法律事務所及び辻堂法律事務所に弁護士各2名、平塚八重咲町法律事務所に弁護士3名が所属しております。

個々及び組織の実力の向上が永遠の目標です。
今は、少しずつ弁護士を増やし、3事務所に弁護士各3名、具体的には、大船と辻堂も弁護士を3名ずつにすることを目指しています。
ただ、新人を育てながらの皆での成長にこだわりがあるため、少しずつとならざるを得ません。

15周年の間、順調なことばかりではありませんでした。 

お客様アンケートでは、開業当初、「上から目線」というご指摘に泣きました。元検事ゆえのスタイルやサービス精神のなさ、弁護士経験のない若さ(当時31歳)というものがあったと反省しております。

その後、それを直そうとして逆に、相談者及び依頼者側寄りになりすぎ、今から考えると、相手方、相手方弁護士、裁判所等の関係者に厳しく当たっていた時期があり、無理しすぎていたと反省しております。

急拡大は急降下を生むという言葉があります。
法人化して3事務所体制になった平成26年は、八方塞がりともいえる危機がありました。
このときは、所属弁護士や所員や周囲に本当に助けられて今があるので、そのご恩は一生忘れてはいけないと思っています。

今は「泰然自若」を旨に、これまでの経験を生かし、また向上心を持ち続け、初心を忘れず、感謝を忘れず、地道に、今やるべきことに最善を尽くしていきたいと思っております。

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# by ofuna-law | 2019-10-25 09:15 | これまでの事務所運営

宛名の悩み

プライベートな手紙の宛名について。
実は,先日,自分宛に大先輩から「大兄」という敬称の手紙が届き,初めてのことで,知らないながら,年下なのに「兄」というので狼狽。

調べてみたら,ネットで作家の童門冬二先生のコラムを発見。その内容の要旨を備忘のためにも書いておくことにします。

敬称には,「殿,様,先生,学兄,大兄,恭兄,恭姉,尊師(お坊さん)などたくさんあり,悩む」とありました。

作家という仕事上は,「学兄と学姉」を使うとのこと。
編集者と書き手の関係が,“競馬の調教師と競走馬”と考えていて,調教師の意見を尊重して書き手をなさっているし,実際,学ぶことも多いというのが理由。男性なら学兄,女性なら学姉。年齢は関係ない。年下でも学弟,学妹はNG。

勤め先で一緒だった人たちなどには,「恭兄,大兄,恭姉」。
大姉はNG。戒名(女性の最高の戒名)になってしまうから。これらも年下に恭弟,恭妹はNG。

「尊師」はお坊さんへの敬称だが,宗旨によりNGの場合があり,「和尚,住職」となるとのこと。

そう知ってから,格好をつけて,プライベートの手紙の宛名に「大兄」を時々使っています。

蛇足ですが,医師への手紙には,「御侍史(おんじし),御机下(おんきか)」という脇付が書かれます。
前者は医師に直接ではなく秘書を通じてお渡しするという意味,後者は直接渡すのは恐れ多いので机の下に置いておきますという意味。

医療関係者の方からの私信には,弁護士に対しても,この脇付が書いてあることが多いです。医療関係者間では慣習化しているのだと思います。

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# by ofuna-law | 2019-09-29 16:16 | 仕事術 仕事感

年次有給休暇の略し方について,有休か有給か,どちらが正確なのでしょうか。

ネットを調べると,有休・有給,両論あります。

「辞典」や「新聞記事の表記」を根拠にして説明されています。

辞典は,「有給」として「給料が支払われること/有給休暇の略」とするものや,「有休」として「有給休暇の略」とするものがあります。
最新版広辞苑は「有休」を載せました。が,辞典で「有休」を載せているのは少数派とのこと。
弊法人所蔵の新明解国語辞典に載るのは「有給」のみ。「労働の報酬として規定通りの給料が支払われること。「-休暇」⇔無休」としています。


新聞記事は,新聞社ごとに「有休」「有給」のどちらも正式な略し方として使っているようです。

日経新聞は,「有休」に統一。
その説明要旨は次のとおり。
略し方の長所と短所を考えると,「有休」は意味を限定して伝えることができる。「有給」には「給料が支払われる」という意味がまずあるが,「有休」には「有給休暇の略」という意味しかない。表記のブレを防ぐためにも,「有休」に統一する,と。

「有給」を正式な略し方とする新聞社は,「有休」を見慣れない言葉だと感じたり,「給料」の「給」の字が入る方がイメージが沸くという人もいからというのが根拠のようです。


では,法律上はどちらの略し方が正確でしょうか。

この点,「年休権」という法律用語があります。労働基準法39条が年次有給休暇を定めていますが,この休暇を取得できる権利が「年休権」と呼ばれています。
よって,そもそも「年休」という言い方が最も正確と考えられます。

しかし,「有休」「有給」という略し方が一般化しているので,今更法律家が「年休」が正しいと言い張っても通る話ではないでしょうね。
もっとも,本来「年休」という言葉が正しいということから略し方を敷衍して考えるならば,「有休」と略するのが自然ではないでしょうか。

ちなみに,他の休暇制度の略し方との比較は,一般常識としても法律的にも参考になると思います。
産前産後休暇は「産休」。育児休暇は「育休」。病気休暇は「病休」。
同様に考えると,有給休暇は「有休」となるはずです。


なお,「代休」は略語ではありません。休日に働いた代わりに,改めて労働日に休日を作ることを指す言葉そのものを,代休と言います。

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# by ofuna-law | 2019-08-27 12:14 | 法律 論点 解釈
大谷實先生の学説(大谷説)を完徹していた身。

1 刑法総論についていうと、

大谷先生の「刑法講義総論」。

その新版第4版刊行が2012.5。5年も経っていることは、その間の新判例が載っていないことを意味する。値段も5000円近くして高いし、もしかしたら、近々第5版が出るかもしれない。だから、いまは買えない。

と以前書いていたのだが、2019.5に満を持して「刑法講義総論新版第5版」刊行。即購入。
結局ところ、おすすめである。
時を同じくして、前田雅英先生も「刑法総論講義第7版」を刊行。やはり「エキサイティング」な関係の両先生である(微笑)。

司法試験受験生は、大谷説前田説は…という感覚は正直あるだろう。
となるとポイントは、出版年月が近く、気鋭で定評のある基本書を探すこと。

そもそも共著は除外。刑法は最も体系の一貫性が必要な法律だから。単著が理想で、理想を求めることは、最も刑法的な思考である。難解で膨大なパズルを孤独に一つの体系として構築し確立してほしい。それが刑法の理想だと思う。氏名で「~説」と呼称されるまでになるのはそのため。

あと、元が実務家も除外。刑法は最も純理論的な法律学だから。実務はいわば妥協の世界である。その妥協の世界を、生粋の学者が純粋に完璧に美しく理論化してほしい。無理はもちろん承知ではあるが、そこに刑法の出発点があると思う。

判例通説に即せば、行為無価値で。かつ、気鋭の学者で、定評のある書。著者の経歴や、売れ行き(版を重ねているか)を、慎重に吟味する。

迷った挙げ句、高橋則夫先生のご著書を選択して買っている。第4版が2018.10刊行。しかも、出版社が成文堂(大谷説と同じ)。
経歴は早稲田の西原門下であるとのこと。西原説といえば、「共同意思主体説」ではないか。それなら知っている。同じ早稲田でも、結果無価値の曽根説とは違うのだ。

一方で、いまなら、最高裁判事になったばかりの山口厚先生は外せない。結果無価値でも、最高裁判事ともなれば、昔の団藤先生のような通説判例への歩み寄りも多少は期待するし、近時の山口説はそれを予感させる説の動きもある。
ないだろうが当初の大谷先生のような、ひょっとすることも起きないかとも思ったりもする(大谷説が結果無価値から行為無価値に大転換したのをリアルタイムで経験した一人であったりする)。

2 刑法各論についていうと、

大谷先生の「刑法講義各論」の最新版は、新版第4版補訂版で、2015.9の刊行。これは買わねばならない。

一方、刑事実務的に、平成10年代は、刑法各論は、判例通説ではない結果無価値でありながら、西田説が圧倒的に支持されていた。名著である。ただ、西田先生は2013.6に亡くなられた。
だが、さすが名著。門下の先生が、西田先生ご自身の筆を徹底に残しつつ、2018.4補訂版を刊行。これも購入。

体系の一貫性からすると、高橋先生の総論を今回買うなら、各論も買うべきであろう。版をみると、第2版が2014.10刊行、第3版が2018.10刊行。これも購入。

それと山口説の総論を買うから、同様に各論もと考えたが、刊行が古かった。おそらく近々新しい版が出るはず。だから、いまは買わない。

ちなみに、井田先生のご著書も売れているようで、行為無価値だから検討の余地があると思う方がいるかもしれない。

ただ、あくまでも大谷説から見ると、井田説は目的的行為論に拠っており、目的的行為論といえば元は福田説であり、本流の団藤大塚説からは傍流と感じるため(大谷説が東大ではないのでおかしな話だが)、読んでいないのに敬遠してしまう。

それにしても、昔(約20年以上前)と違って、たくさんの先生がたくさんの基本書を書いている。
選択の余地がなかったのも窮屈だったが、余地がありすぎるのも絞れない。悩みという点では同じだが、悩みが贅沢になったものである。

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# by ofuna-law | 2019-07-19 10:18 | 司法試験 勉強

「弁護士法人プロフェッション」代表が時々弁ずるブログ|大船駅(鎌倉市)・辻堂駅(藤沢市・茅ヶ崎市)・平塚駅各3分|夜間休日相談あり


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