「事件を落とす」(法曹業界用語)
一般用語的には否定的な意味に感じるかもしれません。
ですが,「落とし所」という言葉が語源だと思います。
落とし所に落とし込んでいく・落としていく。転じて,「落とす」。
語源を考えると,特に否定的な意味は含まない業界用語です。
これを他動詞「落とす」ではなく,自動詞「落ちる」として使う場合もあります。
例えば,「事件が落ちた」。
ニュアンスとして,どちらかというと,自然に,事件が終わった・解決した,という意味。
12月と3月は,事件が落ちる数・割合が他の月よりも多いと感じます。
節目の月であるため,依頼者や相手方の各当事者,その弁護士,ひいては裁判所としても,終わらせたい・解決させたい気持ちが高まるからでしょう。
「落ちる」し,「落とす」のです。
同様に,検察官も,4月は検事異動月であるのも手伝って,年末12月と異動前3月の起訴・不起訴は増えます。
検察官の場合は,自然に他動詞「落ちる」というよりは,もっぱら自動詞「落とす」です。能動的・積極的に「落とし」にかかります。
さて少し余談。
警察や検察が,「落ちる」と使う場合,犯行を否認していた人が自白した場合,を指すことがあります。例えば,「完落ち」は,完全に自白したという意味。
これを他動詞で,自白させる,という意味にすると,「割る」と言います。「口を割る」が語源です。例えば,取調官は上司から(否認する者にあれこれ言わせず)「早く割れ」と指示されることがあります。
刑務所に入ることを,「刑務所に落ちる」「塀の中に落ちる」と使う場合があります。
これは,一般用語に近い否定的な意味の使い方。「落ちるところまで落ちた」のような「落ちる」が語源だと思います。
弁護士の鞄 2005.6記事三訂版
1 その日の裁判記録(ファイル)が1~3冊
2 「訟廷日誌」という弁護士用手帳。それと,システム手帳(地図、ポストイット、メモやDOリストなどを書く)
3 「弁護士●●之印」と刻された弁護士の職印と携帯朱肉
4 県内警察署マップと弁護人選任届数通(当番弁護士要請対応のため)
5 印紙及び切手
6 計算機
7 筆記具とA4ルーズリーフ
8 本(移動や待ち時間に読むもの)
9 ノートパソコン(軽いのを買ったがやはり重い。メールチェック,ブログ更新、出先での起案のため)
という感じで、重さは5キロ程度。と記載してます。
◎「あれから10年以上たった2015.7・・・」
いかに鞄を軽くするかが課題。重さは半分以下に。
鞄自体、1泊の出張にも耐えられる大きさだったものが、今は小ぶりで薄いブリーフケースへ。素材も軽く強いものに。
2 訟廷日誌は、サイズが小さすぎ、2年前から中止。システム手帳も重い。だから、コクヨ「自分手帳」に統一。地図もあるし、表紙カバーにポストイット等や、上記5の印紙と切手も挟んでます。
3 職印と朱肉は外せないので持参。
4 警察署の地図はスマホで対応。選任届は都度。
5 前述のとおり、自分手帳の表紙カバーへ。
6 スマホで対応。
7 筆記具は手帳用と合体(以前は、手帳用とルーズリーフ用とが別だった)。
8 スマホで対応。
9 スマホで対応。起案は、紙に手書きし、写メで送信、事務局にパソコン清書してもらうようになっています。
スマホの進化で、対応できるものは全てスマホになり、半分以下に軽量化できたと。
その他、いつからか、レターセットと絵はがき(たまに書いて出すことが多くなったので)。
大きな鞄→キャリングケース→トートバック
◎「それから更に2年たって2017.12・・・」
5 手帳カバーへ。
6 スマホで対応。
7 筆記具は手帳バンド付きペン入れに入れて手帳と合体。
8 スマホで対応。
9 スマホで対応。