検事に採用されるポイント 2008.9記事改訂
元検事として,受験生・合格者・修習生から,検事になりたいと聞かれたときに話すポイントを以下列挙。
1 司法試験と司研の成績がよいこと
司法試験と研修所成績が総合して同期修習生全体の上から3分の1(2008年当時。現在はおそらく上位20~30%以上)に入らないと,厳しいのではないか。
客観的指標として,成績はもっとも重視されると感じる。採用側にとっても,足切りの理由として,説明しやすい。
ただ,原則には常に例外あり。成績が多少悪くても他の固有の要素が抜きん出ていれば検事になれる。
成績は最低条件であるとは考えておくべき。
2 検察官に向いてそうなこと
人には向き不向きがある。検察官にも広い意味で,性格や素養等が検察官向きであることが必要。
ぴんとこないかも知れないが,多数の修習生を1人1人みると,弁護士向き,裁判官向き,検察官向きとか,学者向き,個性が見える。
検察官向きは,集合修習や,実務修習の検察庁における修習ぶり等で,教官・指導官・事務官から,素養等が検察官向きかどうかを見られている。
具体的に何をもって検察官向きかというのは難しいが,例えば,協調性,正義感が強い,熱意がある,真面目(勉強熱心)でひたむきである,前向き,積極性,明るい,負けず嫌い(弱気・消極的ではない),頭でっかちや頭が固くない等々。
組織の中の組織。また,その組織が体育会系ゆえ,体育会系が嫌な人はあまり向いていないと思うし,酒を飲むこと(いわゆるノミニケーション)が多い組織ゆえ,お酒をたしなめるほうが望ましい。
ただ,原則には常に例外あり。文化系の検事や下戸の検事もたくさんいる。
3 その他の要素
修習中,自己紹介のときなどは,検事志望であることをアピールする(アピール下手が多い)。
検察教官,指導検事,指導検事の上司(地方なら次席,大都市は部長)に名前・顔を覚えてもらう。
世辞等小手先だましはしない(すぐ見抜かれる)。
自分の素養が本当に検察向きなのかを,オープンに評価してもらう(本当は向いてないなら他の道がよい)。
実務修習地の検察庁の人(特に事務官)と仲良くする(事務官はよく見ている)。
謙虚な姿勢。
のびしろの大きさ(任検してから育てる組織体質である)。
礼儀。例えば,検察主催の懇親会があったときは,翌日,検事正・次席にお礼に行くか,お礼状を書く。
積極的に検察修習はもちろん他の修習にも取り組む。
自分の大学・法科大学院の検察出身教官にアピールして知己の現役検事を紹介してもらう(必要な素養を知る機会)。
一生涯検事をやり抜く覚悟(途中で辞める前提は絶対無理)。
多数に埋もれない自分ならではの長所がある(人材の多様性を好む組織体質である)。
など。
ブログランキングに参加しています