生涯もう言えることもなさそうなセリフ
折しも修習生が弁護修習中(74期ホームグラウンド・75期弁護修習)で、弁護人席に修習生が同席時の無罪判決。
判決後、「修習生の目の前で無罪判決取るなんて、カッコいい指導担当弁護士じゃねーか?」と、生涯もう言えることもなさそうなセリフを言ってみた。
たまたま二人の修習生がいたから、ふたりともに別々に弁論要旨の起案をしてもらい、助けてもらった。
簡にして要を得るよう推敲する時間まではなく16頁。
10頁に圧縮し、読み上げ時間が30分なら、理想的だった。
無罪判決は、検察側のオウンゴールにより、結果的に取れるものというのが正直な感覚である。
ドラマにもあるように、起訴されれば有罪率99.9%。
検察官は、逮捕されても、裁判で無罪になるかもしれないような事案は、不起訴にする。
不起訴率につき、正確な公表があるかもしれないが、感覚的には50%前後は不起訴になっていると言って過言ではないのではなかろうか。
起訴するということは、それだけ有罪に自信があるということ。
だから有罪率99.9%。
私の言う検察側のオウンゴールとは、具体的には、①担当検察官の捜査不足と、②起訴の可否の際の組織のチェック不足のこと。
無罪請負人とも言われる弘中弁護士ほどのレベルの弁護士ともなれば、無罪は積極的に勝ち取るものと仰るかもしれない。
けれども、並の弁護士は、審理では闘う弁護人として精一杯闘うけれども、無罪は、結果的に転がり込むもので、取ろうとして取れるものではない(=検察側のオウンゴール)と、今回も、正直そう感じた。