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供述調書、契約書、公正証書を「巻く」の語源

供述調書や契約書や公正証書を「巻く」といいます。
要するに、作成するということです。
長年、語源が疑問で、このたび漸く調べてみましたが、よくわかりません。

契約書を製本するときに背表紙にテープを巻くからという説は、供述調書は、ステープラーで綴じるだけ。公正証書も、やはりステープラーで綴じるだけ。
よって、この説は違うと思います。

供述調書のみについていえば、被疑者を煙に巻いて署名押印をさせてしまう(もちろん違法です)の「煙に巻く」が語源との説がありそうです。契約書ならば、例えば、立場が強い側が弱い側を煙に巻いて契約締結してしまうことはあり得なくもないでしょう(これも不適法で契約無効となりえます)。
しかし、少なくとも公証人の公正証書は、正確無比なので、煙に巻いて作成することはありません。
よって、この説もやや違うと思います。

テレビなどで、早く収録を終わらたいときに「巻きでお願いします」という業界用語があります。
要するに、時間内に迅速に切り上げるということですが、供述調書、契約調書、公正証書も、時間内に迅速にまとめ上げるという意味で、この用例に近い感覚はあります。
ただ、業界用語の巻くは、元々収録テープのからみで、時間がないとテープ残量との関係で収録しきれないから、テープを巻ける時間内に終わらせるという意味と聞いたことがあります。
もし収録テープの巻きが語源なら、供述調書等には当てはまらないことになります。

古来、こういった書面は、巻物で作成していました。
「手紙を巻く」という古語があって、今も「巻き手紙セット」というのが買えます。巻物で手紙を出せます。
巻物を使わなくなった現代にも、この使い方が残って、供述調書や契約書や公正証書は、「巻く」というのではないでしょうか。
調べた限りでも、この説が通説のようでした。

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by ofuna-law | 2019-11-22 08:31 | 法律 論点 解釈

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