法律相談が無料になる場合
弊所弁護士にはいつものことなので当然になりがちですが,初めての相談者さんには逆に全く当然ではありません。
かつ,ほとんどの方が初めてなので,私たちに「要注意」という戒めのために,しっかり記事にアップすることにしました。
法律相談は,流れ上,①問題の前提となる事実を聞き,②法的見解を述べるという段階を踏んでいきます。
この間に,第一印象から始まって,法的見解の明確性や,お互いのやりとりを通じて感じる人柄や相性などを合わせて,③依頼するか(依頼しない又は持ち帰るか)を決める,という段階を迎えます。
①→②を経て,③の段階で「依頼する」となる場合,既に一時間近く経っているのが通常です。
その後,④委任契約書の取り交わしや委任状の署名押印等の事務手続きに入ります。
案件依頼の場合の法律相談料は無料という告知や説明が不十分だと,お客様に①②③のみならず,④の間も法律相談料がかかり続けているという余計な心配をかけてしまいます。
そして,契約等がすべて終わってお帰りになる時点で,「今日の相談料はおいくらですか」と質問され,初めて「今日は案件依頼なので無料ですよ」と回答する状況になります。
告知と説明の不十分という弁護士側の失態で,この余計な心配をかけたということになり,この問答が出た瞬間から,いたく反省させられます。
これは,無料相談が大都市部を中心に広がりつつある現状,有料相談という前提でうちの事務所を選び来所いただいた感謝も踏まえると,より反省が深くなります。
しかも,こういう悔悟を結構引きずるのが弊所弁護士たちです(だったら,しっかり告知と説明するように,という話に戻りますね)。