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憲法記念日だから改正論議を書く(ようで書かない)

本日5月3日は憲法記念日。

誤解を恐れず言いますが、法曹(司法試験合格者)は、憲法9条の解釈は苦手。かつ、改正につきサイレントな対応がマジョリティです。

なぜなら、憲法9条は司法試験に出題されない(だから勉強しない)から。
それと、議論が極めて政治的だからです(司法は、政治的ではあってならない、政治的問題には介入できない、抑制的であるべき、ということの方を強烈に勉強する)。

政治問題に抑制的であるべきという視点は、立憲主義や法の支配という根本原理と、違憲立法審査権(憲法81条)から導かれます(いずれも司法試験で頻出)。

立憲主義とは、憲法は、政治権力を縛り、その濫用を防ぐための国の最高法規であるという考え方。
法の支配とは、民に対し法を行使する側の政治権力も、高次の法により支配され縛られるという考え方。
立憲主義と法の支配が結びつき、高次の法である憲法が、政治権力を支配し、権力の濫用や暴走を防ぐと考えます。

その憲法の最後の砦と呼ばれる違憲立法審査権は、政治権力を縛る憲法の違反に対し、司法(の担い手である法曹)が、濫用や暴走を防ぐ役割を担うと。
ただし、違憲立法審査権が先走ると、三権分立のバランスが崩れますし、民意で選出されたわけでもない司法が政治化する可能性があります。だから、政治問題に抑制的であるべきという視点が導かれるのです。

ちなみに、法曹は、法を解釈するのが仕事のため、例えば、「自衛隊は合憲である」と憲法に明記されれば、違憲という解釈はできず、合憲と解釈しかできない以上、違憲立法審査権の行使の余地や最後の砦どころの話ではなくなってしまいます。

うまく表現できませんが微妙な立ち位置。法曹が憲法改正を言い出すと自作自演的に感じる負い目ともいえましょうか(法を解釈する立場・本分からはそれてくるというような。杞憂ならよいのですが)。

実務家になって、年齢や経験を重ねるうちに、憲法9条や改憲に対する意見も持つようになりますが、誰かと話すことはありません。

ただ言えるのは、法というのは、社会の要請のうねりの中で最適化され、され続ける存在であることです。
そのうねりのスピードが速い会社法などは頻繁に改正されます。
刑法などはもう少しうねりが長く、抜け穴のような事件が起きるのをきっかけに改正されます。

紆余曲折、つまり、昔は正しい法律が、その後正しくなくなり、また時を経て実は正しかった、となることさえあります。
上善如水、つまり、水は物の形に沿って必ず下へと流れるように、法律も落ち着くところに落ち着いていく印象が非常にあります。

憲法は、そのうねりのスパンが一番大きいと感じます。単位にして100年くらいかもしれません。
そのくらい社会(国際社会も含む)の要請のうねりの大きさを踏まえ、慎重な論議を重ねたうえで行う必要があると思います。
単位にして長い分、いったん改正すると、次の改正も同じくらい時間がかかると思いますので。

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by ofuna-law | 2018-05-03 20:43 | 法律 論点 解釈

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