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明け易し「勾留執行停止」の刹那

弁護士7年目の梅雨。初めてなした勾留執行停止の申請が認められた。

勾留執行停止とは,勾留の執行を一時的に停止して被告人(被疑者)の拘禁を解く制度。

保釈と似ているが違います。
保釈は,起訴後の「被告人」についてのみのもの。勾留執行停止は,被告人だけでなく,起訴前の「被疑者」にも適用されます。
また,保釈の場合,保釈保証金(保釈金)が必要です。しかし,勾留執行停止では不要。
釈放の期間は,保釈は判決言渡しまでと長いのに対し,勾留執行停止は一時的です。

勾留執行停止の要件は,「裁判所が適当と認めるとき」(刑事訴訟法95条)。
例としては,被告人(被疑者)の病気・怪我の治療(入院)や,出産,近親者の危篤・死亡等の場合が挙げられます。

当初,近親者危篤により,保釈の申請をしたのですが,捜査段階で容疑を一部否認していたことなどから,却下。
その後,不幸にも近親者が死亡。ゆえに,通夜・告別式参加を理由として,勾留執行停止の申請をしたところ認められ,葬儀の2日間だけ,勾留執行停止になりました。

保釈が全く駄目でも,勾留執行停止はすんなりと認められました。
判断はそれぞれ違う裁判官。勾留執行停止を認めた裁判官は,人情をわきまえていると感じました。

2日目の夜に,自ら勾留場所に出頭して,再び勾留。

保釈だと,このようなことなく釈放のまま。それゆえ,裁判官としても別途の考慮が働くのでしょう。

弁護人としては,まさに梅雨のごとく,雨はやまず,少し晴れ間が見えても,また雨になるというような,忸怩たる心境が続きます。

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by ofuna-law | 2010-06-02 09:59 | ・刑事事件 裁判員裁判

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