ご存知ですか?
香川照之演ずる佐田弁護士は、シーズン1で、ヤメ検(検事をしたあと弁護士になった)の設定であったことを。
シーズン2では、どうもそれが消えています。
むしろ、刑事弁護は素人で、フィーの高い民事や顧問先を多数抱えるブル弁(ブルジョア弁護士)という設定で推している。
そのほうが弁護士陣の内側、つまり、深山(松潤)、ヤメ判(裁判官つまり判事をやめたあと弁護士になった)の尾崎(木村文乃)、事務所のボスの斑目(岸部一徳)との対比として面白いし、一方で、シーズン2のテーマが対裁判官・裁判所のようなので、ドラマとしての抑揚をつけているのかな。
さて対裁判官・裁判所というテーマについてひと言。
修習生のとき見た限りですが、本ドラマの裁判所における裁判官の縦構造、すなわち、
岡田(榎木孝明)→川上(鶴瓶)→遠藤(甲本雅裕)ら裁判官という序列・出世の道については、実は違和感があります。
裁判官は、個々の独立・尊重がお互いにとても強い。そして、優秀な人が順当に出世していく。そういう印象です。
鶴瓶裁判官の極めゼリフ「いい判決せえよ」。
相性の悪い裁判官がいたら、いつか最終準備書面や最終弁論で、(弁護士から裁判官へ)皮肉で使えたらなあと。
蛇足ですが、友人らから、よく質問されるのが、法律ドラマ(今回の99.9や、キムタクのHERO等)につき「あんな感じなの?」というもの。
いつも答えるのは、実務と一番違う点。
「彼らは1週間に1件しか事件をやっていない」
「現実は同時平行で30-50件」
「だから、彼らのようにいつも現場に行き、沢山の関係者と逐一面談するようなことは、現実は無理」
ということ。
件数の多さは、事務所経営や生活があるため仕方がなく、理想は「ドラマのように採算度外視で自由と正義のために本分を全うしたい」との気概を持っているのが三万人余の全国弁護士の総意と言って過言ではないこと、強調しておきます。
ブログランキングに参加しています記事が「いいね」の場合下記バナーのクリックご協力ください